第55回 仏教美術展/仏像仏画・展示会レポート!
-
仏像彫刻工房「祥」
平成最後の秋。文化の日を挟んで2018年11月2日(金)~4日(日)
伝統ある京都、京都文化博物館にて、第55回 仏教美術展/仏像仏画・展示会が開催されました。
11月1日、搬入の日。
一抱えもある逗子に納められた千手観音を持つ人、
台車いっぱいの荷物やお花が続々と搬入。
本格的なカメラを持った出品者たちが、思い思いに写真撮影に交流にと楽しく過ごしました。
撮影が目的で出品するという人も多い、仏像彫刻愛好家に人気の展覧会です。


入口は、主催・松久一族の渾身の作品がずらり。
宗教芸術院の所長で、展覧会主催である松久佳遊先生彫刻の聖観音さまは、
真や先生の彩色・截金の素晴らしさにも感嘆の声。

若き松久家の仏師・靖朋さんの仁王さんの堂々たる姿と大きさ。
これは奉納されるレベル…と、取り囲む人たちからざわめき。
昨年は1尺(約30cm)とやや小ぶりの仁王像一対を出展されていた靖朋さん。
母である真や先生に話を伺うと、小さいのに、寄木造りという本格的な作りだとか。
寄木造りといえば、運慶・快慶作、東大寺南大門の8mもの仁王像と同じ工法。
縦割りにプラモデルのように細かくパーツを組み合わせて作ります。
小さな仁王像のパーツを再度バラバラにし、それを基に等身大の仁王像を作る!
そんな意図があると伺っていたそのとおり、大きな力士像、迫力です。

6階では、美しい仏画の展示
シルクのキャンパスに、岩絵の具と膠(にかわ)で描く、伝統的で本格的な日本画、絹本(けんぽん)。
現在、絹本を学べるのは松久門下くらいだとか。
1年2年かけ、幾重にも色を重ね描く仏画。
美しい。

細く切った金で描く截金(きりかね)作品も圧巻です。

拡大写真の許可をいただいた諸橋先生作品。繊細で鮮やか!


矢野先生門下生の大黒さん作品。
扱いやすいカシューといううるしで彩色した鮮やかな観音さま。
色が乗ると、仏像の存在感も華やかさもぐっと増します。
去年はずっしり大きな大黒天を出展され、大黒さんが大黒さん!と印象に残っていました。
会場を見て回りながら、来年の作品の構想を膨らませていたようです。


矢野公祥先生作品、高山右近。
一風変わった仏像に、多くの人がじっくり眺めていました。
先生自ら截金も彩色もされるので、キラリと引き立つ衣の襞が美しい。
3ヶ月ほどの製作期間の内、磔にされた細かな彫りに2ヶ月ほど要したとか。
この1年、療養などを経た先生の姿に重なります。

第55回、仏教美術展。自由なアイデアやかわいらしくのびのびとした仏像作品の数々、楽しかった(*^_^*)
入門したてで、手足を学び、ようやく仏頭、という生徒も積極的に参加する仏像の展覧会。
極楽浄土を遊覧するような、豪華で、丁寧で、気が遠くなるような時間と技術の注がれた作品の数々。
秋の京都の風物詩、来年も開催されますので、ぜひお立ち寄りください!
伝統ある京都、京都文化博物館にて、第55回 仏教美術展/仏像仏画・展示会が開催されました。
11月1日、搬入の日。
一抱えもある逗子に納められた千手観音を持つ人、
台車いっぱいの荷物やお花が続々と搬入。
本格的なカメラを持った出品者たちが、思い思いに写真撮影に交流にと楽しく過ごしました。
撮影が目的で出品するという人も多い、仏像彫刻愛好家に人気の展覧会です。


入口は、主催・松久一族の渾身の作品がずらり。
宗教芸術院の所長で、展覧会主催である松久佳遊先生彫刻の聖観音さまは、
真や先生の彩色・截金の素晴らしさにも感嘆の声。

若き松久家の仏師・靖朋さんの仁王さんの堂々たる姿と大きさ。
これは奉納されるレベル…と、取り囲む人たちからざわめき。
昨年は1尺(約30cm)とやや小ぶりの仁王像一対を出展されていた靖朋さん。
母である真や先生に話を伺うと、小さいのに、寄木造りという本格的な作りだとか。
寄木造りといえば、運慶・快慶作、東大寺南大門の8mもの仁王像と同じ工法。
縦割りにプラモデルのように細かくパーツを組み合わせて作ります。
小さな仁王像のパーツを再度バラバラにし、それを基に等身大の仁王像を作る!
そんな意図があると伺っていたそのとおり、大きな力士像、迫力です。

6階では、美しい仏画の展示
シルクのキャンパスに、岩絵の具と膠(にかわ)で描く、伝統的で本格的な日本画、絹本(けんぽん)。
現在、絹本を学べるのは松久門下くらいだとか。
1年2年かけ、幾重にも色を重ね描く仏画。
美しい。

細く切った金で描く截金(きりかね)作品も圧巻です。

拡大写真の許可をいただいた諸橋先生作品。繊細で鮮やか!


矢野先生門下生の大黒さん作品。
扱いやすいカシューといううるしで彩色した鮮やかな観音さま。
色が乗ると、仏像の存在感も華やかさもぐっと増します。
去年はずっしり大きな大黒天を出展され、大黒さんが大黒さん!と印象に残っていました。
会場を見て回りながら、来年の作品の構想を膨らませていたようです。


矢野公祥先生作品、高山右近。
一風変わった仏像に、多くの人がじっくり眺めていました。
先生自ら截金も彩色もされるので、キラリと引き立つ衣の襞が美しい。
3ヶ月ほどの製作期間の内、磔にされた細かな彫りに2ヶ月ほど要したとか。
この1年、療養などを経た先生の姿に重なります。

第55回、仏教美術展。自由なアイデアやかわいらしくのびのびとした仏像作品の数々、楽しかった(*^_^*)
入門したてで、手足を学び、ようやく仏頭、という生徒も積極的に参加する仏像の展覧会。
極楽浄土を遊覧するような、豪華で、丁寧で、気が遠くなるような時間と技術の注がれた作品の数々。
秋の京都の風物詩、来年も開催されますので、ぜひお立ち寄りください!