奈良生駒 仏像彫刻美術展レポート!

-
仏像彫刻工房「祥」
2019年、第24回奈良生駒 仏像彫刻美術展。
関係者のみなさま、お疲れ様でした。

会場の様子や作品などをご紹介します。

タケノコ

会場の生駒市芸術会館 美楽来(みらく)。
入り口には、竹の子が顔を覗かせています。

仏像彫刻入門作品

一つ一つの作品は、矢野先生が用意したビロードの台の上に。
一段と見栄えがし、仏像の格式も高まります。

入門中の入門課題、仏さまの手足もこの通り、ステキな見栄え。

矢野公祥先生

矢野公祥先生は、訪れた人に熱心に作品を紹介し、語っていらっしゃいました。

薬師三尊像

矢野公祥先生作品、薬師三尊像。

木を削り、漆を塗り重ね、金箔を押し※、既に5年越しで造られていますが、
完成まではまだ1年以上を要するとか。

※金箔は、貼るのではなく、押す、と言います。

仏像玉眼

仏像玉眼

三尊とも玉眼(ぎょくがん)が採用されています。

玉眼とは、仏像の瞳の部分に水晶がはめ込まれる、手の込んだ特別な作り。
鎌倉時代の仏師、運慶が始めた手法です。

玉眼により、仏像の存在感、神秘性がより高まります。

薬師三尊像仏画

矢野公祥先生の奥様の仏画作品も、先生と同じ薬師三尊像。
どちらも金箔の輝きが美しい。

仏像彫刻美術展ポスター

折上先生の生徒さんがさらっ!と描いたポスターも展示されていました。

奈良仏師折上稔史作品

矢野先生のお弟子さん、折上稔史(おりかみとしふみ)先生の作品は、大壇と聖観音像。

大壇(だいだん)とは? → 奈良仏師折上稔史のブログ◆大檀(だいだん)の制作 を読む

大壇(だいだん)とは、お堂のご本尊の手前にある法具などを並べるスペースのことで、
彫刻、漆職人、宮大工などの職人さんなどが共同で制作しているのだとか。

奈良仏師折上稔史先生

新聞記事などを見せながら、集まる生徒さん達に細かに説明する折上先生。
「このすべすべ感、触って見てください」と、なんと作品を触らせてくれました。

生徒みんなで、すぺすぺ、ぺたぺた♪

仏師の先生方や一部のとびきり上手な生徒さんでないと、なかなか木の表面がすべすべにならないんですよね。

観音像を見た生徒さん達から「お顔が若々しい!」などの声も。
20代から仏師を目指した折上先生の若々しい仏さま、ハリを感じます。

仏像に限らず、芸術は、製作者の精神、体力、年齢が否応なしに作品に現れますね。

仏像彫刻を始める方は、仕事や子育てが終わっってからがほとんど。
働き盛り世代や学生さんは、忙しい日常との両立が難しいようで、少ないです。

年配になると、視力や体力の苦労をよく聞きます。
若いうちに仏像彫刻に挑戦したら、若いときの作品、お休みをしつつ、また年を重ねてからの作品。
その世代その世代でしか出せない仏さまが彫れるだろうなと思います。

仏像彫刻

鮮やかな彩色や黒く映える漆塗り、金箔で彩った仏さまなども様々。

矢野先生は本物の漆を使われますが、生徒には扱いやすく加工された合成の漆が勧められています。
合成のうるしでも、顔や肌が赤くかぶれて大変なのだとか。

黒漆の上からの金での装飾、神々しいです!

松久真や先生截金作品

松久真や先生截金作品

截金(きりかね)の大家、松久真や(まや)先生の作品。

緻密で繊細な作品を覗き込み、「こんな細かいの作ったら死んでしまう!」などの悲鳴が聞こえてきます。

極薄の金箔を極細に竹のナイフで切ることすら難しい截金の世界。
テレビでも取り上げられ、子供の頃から松久工房で腕を磨かれた真や先生の超絶技巧、じっくり拝見してしまいました。

矢野公祥先生上用饅頭

出品者にプレゼントされる、奈良の老舗の上用饅頭(じょうようまんじゅう)。
なんと矢野先生のお名前が焼入れされています!

紅白饅頭と言えば、色のついた薄皮饅頭だと思っていましたが、これはもうすごいお饅頭です!!

上用饅頭とは、山芋や米粉などで作られ、しっとり上質な衣に包まれた、それはそれは上品なあん。
白と赤では、中のあんが違うという芸の細かさ。

結婚式など特別なお祝いに出されるお饅頭なのだそうです。
そのお菓子屋さんの技量がはっきり現れる、シンプルで奥が深い和菓子。

美味しかったです

    

矢野先生の門下生には、ドイツ人やネパール人、看護師さんにお医者さん、会場にはお坊さんの姿も見られてバラエティー豊か。
ネパールの方は、奈良の仏像ギャラリー空音【ku-on】での出会いを機に、仏像彫刻を始められたとか。

作品の模様として彫られた梵字をさらっと読み上げたと、話題になっていました!

「ならまち」仏像ギャラリー空音【ku-on】 記事を読む
仏像ギャラリー<空音ku-on>のこどもの日 記事を読む

秋の展示会は、本部の京都のみで、西宮はありません。

第55回 仏教美術展 Buddhist Art Exhibition at Kyoto Sanjo お知らせ記事を読む
第55回 仏教美術展/仏像仏画・展示会レポート! 記事を読む

生駒での展示会、また来年をお楽しみに!
仏像彫刻工房「祥」
Posted by仏像彫刻工房「祥」